早押しクイズの一般的ルール

前提

ここでは採用されることが多い競技クイズにおける早押しルールについて説明する。

ただし、仲間内でクイズを楽しむ場合は「全てのルールは出題者と回答者が楽しい時間を過ごすためのものであり、ルールがその目的に沿わなければ無視や改変をしてもよい」という原則があることを留意してほしい。

これらのルール例は単なる参考資料であり心得に過ぎず、それぞれの環境に適するように工夫する余地がある。

概要

早押しクイズとは問題文が読まれている途中でもボタンを押して回答することができるクイズの形式である。

早押しボタンの代用品は一つのキーボードや電卓などを共有してどのボタンが最初に押されたかで判定したり、単に発声と挙手などでも構わない。早押しクイズ用のWebサービスやアプリも存在する(Hive - クイズスキット)。

共通ルール

  • 出題者は問題文を読み始める前に「問題」「第N問」などと発声して、これから問題文が始まることを回答者に知らせる。また回答者はこれらの発声を聞いたら話すのをやめ問題文を遮らないようにする
  • 回答者は自分が回答権を得たことを確認して一呼吸おいてから回答する。出題者が回答権を得た人を指名してから回答するルールが多い
  • 回答がちょっとした言い間違いであったり、ほぼ想定解と同じことを言っているが微妙に違う場合、出題者は「言い方を変えてもう一度」などと言って再回答を促すことも出来る。単に回答が聞き取れなかった場合は「繰り返しでもう一度」などと促す。
    (伝統的な競技クイズではこれらを「もう一度」/「聞こえませんでした」などと表現するが、意味するところが暗黙的なのでより明確な表現を推奨する)
  • 発声された回答が不十分だった場合、例えば「みにくいあひるの子」が想定解である問題で回答者が「みにくいあひる」とだけ発声した場合はすぐに判定せずに続きの発声を待ってもよい。逆にいえば、回答者は回答したにも関わらず正誤の判定がされなかった場合は後ろに何か付け足す必要があると考えてよい。もちろん、出題者が明確に「続けてください」などと促すこともできる
  • 出題者はボタンが押された時点で問題文の読み上げを止める
  • 回答権を得てから回答するまでに一定のシンキングタイムがある。例えば回答者が即答しなかった場合、3カウントしてそれでも回答しなければ誤答とするなど。回答者はこのシンキングタイムがあることを前提にボタンを押す
  • 答えが日本人の名前である場合はフルネームを回答する必要があるが、外国人の名前である場合はラストネームだけでも良い。例えばトーマス・エジソンはエジソンで構わないが、伊藤博文は伊藤だけでは不正解となる。フィクションのキャラクター名は一般的な呼び方であれば許容される
  • 問題文は細則に超越する。例えば問題文に「フルネームで答えてください」とあった場合は外国人でもフルネームで回答する必要がある

ゲーム形式 - 得点形式

      N○M×

      N回正解すると勝利しそれまでにM回誤答すると脱落する、という形式。クイズスキットのHiveでは脱落ではなくM回以降は誤答のたびに正答数が減る(トビなし)というルールが採用されている。

      +N/-M

      正解するとN点が加算され、誤答するとM点が減点されるという形式。目標点数に到達した人が勝利する。

ゲーム形式 - 誤答の処理

      シングルチャンス

      誰かが誤答した時点で次の問題に移る形式。ボタンの連打によるランダム性が発生しないため競技性が要求されるゲームで採用される。

      エンドレスチャンス

      誰かが誤答してもまた問題文が途中から読まれて回答できる形式。問題が無駄にならず正解を出してもらいやすいためカジュアルなゲームで採用される。

      2着切り

      最初の回答者が誤答するまでに他の人が押していなければ次の問題に移るが、押していた人がいる場合は問題文を全て読んだ後に2番目に押した人が回答する形式。シングルとエンドレスの折衷案のようなルール。

      全順回答

      エンドレスチャンスの中でも特に、ボタンをリセットせず押したのが早い順に回答していく形式。

      一問休み・一答休み・一回休み

      誤答した人がその問題を再回答できないのが一問休み、連続で回答は出来ないが誰かが一度誤答すれば回答できるのが一答休み。誤答の罰として次の問題も回答できないのが一回休み。

      トビあり・なし

      N○M×ルールなどで規定された誤答数を超えたとき、そのラウンドを脱落として解答不可能(トビ)にするのがトビあり。トビなしでは規定数を超えた場合、正答数を減らして復帰させる。

進行上の処理例

      誤答判定に対する異議

      誤答と判定されたが問題文から考えて誤答となるのが不適切だと思われた場合、いったんその問題が終わるまで待ってから異議を唱えて可能であれば事実確認を行う。

      問題によっては作成から時間が経過したことで事実として適正でなくなることも多いのでしばしば発生する。また想定解答とは異なるが限定で除外されていない別名など、咄嗟に判断が難しいケースもいったん誤答で処理して進める。

      結果的に問題が不適切であった場合の処理は多様だが、誤答を消すか正解扱いにすることが多い。当然、出題者や作問者への攻撃や執拗な抗議は避けるべき行為である。

問題文を読む際のTips

これらはルールでもマナーでもない。 強いて言えば「我々の周囲で浸透しているやり方」程度のものであり、他人に期待したり要求すべきではない。

  • 問題がパラレルする場合、できるだけ前振りが前振りだとわかるようにする。具体的には、前振りの部分が長めである場合は前半だけ速度を上げて読む。また、パラレルで前振りと本文に共通する部分は強調して読む(金竜読みと呼ばれる)
  • 実際に読む前に軽く全体を黙読して詰まりそうな部分は頭の中で読んでみる(聞きなれないカタカナ語など)

用語集

      パラレル

      「日本で一番高い山は富士山、では世界で一番高い山は何?」のように前振りの文と本題の文が同じ構成になる形式のこと。よく使われる接続詞から「ですが問題」とも呼ばれる。

      ベタ問

      クイズで頻繁に聞かれがちな問題、定番となっている問題のこと。代表例には「病気になっても自覚症状が出にくいことから俗に沈黙の臓器とも呼ばれる臓器は何?(肝臓)」などがある。
      一般に問題の完成度が高いために繰り返し問われ定着したものだが、競技クイズの界隈だけで異常に知られている知識であるという側面もある。しばしば競技クイズにおいて異常な地点でボタンが押され正解となることがあるが、それらは大抵の場合このベタ問が出されたケースである。
      (例えば「どっどど……」「わだば……」など先頭の数文字だけで正解できる)

      問読み

      出題者が問題文を読み上げること。

      読ませ押し

      問読みの途中でボタンが押されても口が滑って次の単語を発声してしまうことを利用して、「次に重大な部分が出るだろう」と期待して投機的にボタンを押すこと。例えば列挙型の問題で「世界三大料理と言えば、中華料理、」の時点でボタンを押すと出題者から「フ」「ト」など続く音を聞ける可能性が高く、二つの選択肢(フランス料理、トルコ料理)からどれを最終的に聞くのかが確定する。

      金竜読み

      パラレル問題の問読みにおいて、前振りと本題で入れ替わる部分を強調する読み方のこと。例えば「日本で一番高い"山"は富士山、では日本で一番高い"ビル"は何?」のように読む。

      青問

      アニメやゲームなどのジャンルに分類される問題のこと。KONAMIのアーケードゲーム機『クイズマジックアカデミー』でこのジャンルが青色で表現されていたことに由来する。

      グラムクイズ

      特定の条件で問題が構成されたクイズ企画のこと。原義的には「正解に必ず"グラム"を含む」(アナグラム、パングラム、インスタグラムなど)のように正解の中に何らかの文字が入る企画のこと。名前は最初に行われたのがこの「グラム」を題材としたクイズだったことに由来する。「パンはパンでもクイズ」と呼ばれることもある。
      しかし現在は極端に狭いジャンル(例えば「星にまつわるクイズ」など)だけで出題する企画も広義としてグラムクイズと呼ぶ。
      ※ ローカルな用語であることに注意