早押しクイズ用語集

  • #早押しクイズ
  • #競技クイズ
  • #クイズ用語

総称

競技きょうぎクイズ

明文化されたルールの下で勝敗を競うことを目的としたクイズ、およびその文化・活動の総称。テレビ番組の企画やパーティーゲームとしてのクイズと区別する文脈で使われる。学生のクイズ研究会や社会人サークル、誰でも参加できるオープン大会などを中心に発展してきた。
「競技」と名がつくが厳密な統一ルールが存在するわけではなく、本サイトのルール解説もあくまで「採用されることが多い」ものをまとめた参考資料であることに注意。

進行・回答

とい

出題者が問題文を読み上げること。

下読したよ

問読みの前に、出題者が問題文を黙読しておくこと。読みの分からない漢字や聞き慣れないカタカナ語があれば事前に調べたり、頭の中で読んでみたりして、本番で詰まらないようにする。
誤読や読みの詰まりは回答者の判断を狂わせるため、下読みの丁寧さは進行の質に直結する。

パース

問読みを聞いて、それを文字として正しく認識すること。構文解析を意味するparseから。一般的な早押しクイズは音声で問題文を聞き取るため、同音異義語や難読語では聞き取り時点で意味の取り違えが起こりうる。例えば「ネンキンの研究で知られる」という文章がとっさに「粘菌の研究」と理解できず「年金の研究?」のように混乱するケースなどで「パースできなかった」のように表現する。

シンキングタイム

回答権を得てから回答するまでに一定の猶予時間がある。例えば回答者が即答しなかった場合、3カウントしてそれでも回答しなければ誤答とするなど。回答者はこのシンキングタイムがあることを前提にボタンを押す。

こえませんでした・もう一度いちど

伝統的な競技クイズにおいて、出題者が回答者に再発声を促す慣用表現。「聞こえませんでした」は回答が聞き取れなかったので同じ回答を繰り返してほしいという意味で、「もう一度」は回答が想定解に近いものの言い間違いや不正確さがあるので言い方を変えてほしいという意味。

クイズ界隈の慣例を知らない人間には区別がつかず暗黙的なため、本サイトではこれを使わずに「繰り返しでもう一度」「言い方を変えてもう一度」など明確な表現を推奨している。

地蔵じぞう

ボタンを押せない(押さない)まま固まっている回答者、またはその状態を指す俗語。答えが分からず押せない場合のほか、誤答のペナルティを避けてあえて押さない消極的な戦術を指すこともある。

ハイエナ

誰かが誤答した際、その回答が部分的に正解を含んでいたケース(人名で名字だけ合っている、作品名が微妙に間違っている、など)で、後から押した回答者がそれをヒントに正解を出すこと。競技クイズではシングルチャンスが採用されることが多く、誤答の時点で次の問題に移るため通常は発生しない。

ゲーム形式・得点

N○M×

N回正解すると勝利しそれまでにM回誤答すると脱落する、という形式。クイズスキットのHiveでは脱落ではなくM回以降は誤答のたびに正答数が減る(トビなし)というルールが採用されている。

+N/-M

正解するとN点が加算され、誤答するとM点が減点されるという形式。目標点数に到達した人が勝利する。

シングルチャンス

誰かが誤答した時点で次の問題に移る形式。ボタンの連打によるランダム性が発生しないため競技性が要求されるゲームで採用される。

エンドレスチャンス

誰かが誤答してもまた問題文が途中から読まれて回答できる形式。問題が無駄にならず正解を出してもらいやすいためカジュアルなゲームで採用される。

着切ちゃくぎ

最初の回答者が誤答するまでに他の人が押していなければ次の問題に移るが、押していた人がいる場合は問題文を全て読んだ後に2番目に押した人が回答する形式。シングルとエンドレスの折衷案のようなルール。

全順回答ぜんじゅんかいとう

エンドレスチャンスの中でも特に、ボタンをリセットせず押したのが早い順に回答していく形式。

一問休いちもんやすみ・一答休いっとうやすみ・一回休いっかいやす

誤答した人がその問題を再回答できないのが一問休み、連続で回答は出来ないが誰かが一度誤答すれば回答できるのが一答休み。誤答の罰として次の問題も回答できないのが一回休み。

トビあり・なし

N○M×ルールなどで規定された誤答数を超えたとき、そのラウンドを脱落として解答不可能(トビ)にするのがトビあり。トビなしでは規定数を超えた場合、正答数を減らして復帰させる。

近似値きんじちクイズ

「東京スカイツリーの高さは何メートル?」のように数値を答え、正解に最も近い回答をした人が得点する形式。全員が回答を出せるため早押しの巧拙に左右されず、同点時の決着や席順・チーム分けの決定にもよく使われる。「正解の数値を超えたら失格」とするバリエーションもある。

段階だんかいクイズ

一つの答えに対してヒントを段階的に開示し、早い段階で正解するほど高得点となる形式。ヒントクイズとも呼ばれる。例えば「①1867年生まれ ②物理学者 ③ポーランド出身 ④ノーベル賞を2度受賞」(答え:マリ・キュリー)と進み、①で正解すれば4点、④なら1点のように配点する。

「早く確定させるほど価値が高い」という早押しの構造をボード回答などの形式でも再現できると言える。

問題文・読み方

まえフリ・あとフリ

問題文の前半部分を前フリ、後半部分を後フリと呼ぶ。一般に前フリにはパラレルの片割れや比較的にマイナーな情報が登場することが多い。

その社名は志賀直哉の短編小説に由来する、イメージキャラクター「鉢巻太助」などで知られる持ち帰り寿司のチェーン店は何?(答え:小僧寿し)

例題でいえば「その社名は志賀直哉の短編小説に由来する」が前フリ。「イメージキャラクター「鉢巻太助」などで知られる持ち帰り寿司のチェーン店は何?」が後フリである。例題の通り、後フリでは強く具体的な限定や何について問うのかの結論が続く。このため早押しクイズにおいては前フリの情報を知っているか、知らないとしても何に関する情報なのかを考えてあとに続く情報から答えを連想しやすくすることが重要になる。

限定げんてい

問題文中で答えの範囲を絞り込む語句のこと。

哺乳類には珍しく毒を作り出すことで知られており、ニコニコ動画ではガッツポーズする姿が何故かネットミームとなっている小型の霊長類と言えば何?(答え:スローロリス)

この例では「ニコニコ動画ではガッツ」あたりが限定となり、「哺乳類には珍しく毒を作り出すことで知られており」まででは他にもカモノハシやソレノドンなど毒を持つ哺乳類が正解になる(N択の段階)。ここから更にネットミームの情報が加わることで他の候補が除去され、最終的には「小型の霊長類」がより強い限定となっている。

限定が不十分な問題は想定解以外にも正答となりうる回答(別解)を生む。
例えば「もともと強い者に何かが加わり、更に強力な者になることをことわざで何という?」という問題は非常に限定が緩い。もし想定解が「鬼に金棒」だとしても、「弁慶に薙刀」「虎に翼」「鬼に鉄杖」など数多くの別解が存在する。

これに対して例えば「ことわざで『虎に何』という?」のように限定を加えてもまだ「虎に角」「虎に羽」などの別解があり得る。
そもそも、問題の後半まで限定ができない問題はあまりホスピタリティが高くないので理想的には序盤、遅くとも中盤には限定を作りたい。

確定かくていポイント

問題文のうち、そこまで聞けば論理的に答えが一つに定まる地点のこと。限定と非常に近い概念なのでそちらの項目も参照推奨。

結婚のお祝いに使われる、白い麻ひもを束ねた縁起物のことを何という?(答え:ともしらが)

この問題では「白い麻ひも」まで聞いた時点で答えは「ともしらが」に確定する。そこから先の「縁起物のことを何という?」は答えの絞り込みに寄与しない。逆に「お祝いに使われる」まででは他の候補が存在するため確定しない。

確定ポイントより前に押すことは知識だけでなく推測や賭けを含むため、押した位置が確定ポイントに対してどれだけ早いか・正確かは、押しの巧拙を語るときの基準になる。なおベタ問では出題傾向の知識により、文面上の確定ポイントよりはるかに手前で事実上確定することがある(「どっどど……」の時点で『風の又三郎』と押せるのはその典型例)。

サビ

問題文の中で、答えがわかりやすい有名な情報が読まれた瞬間にみんながボタンを押すような箇所のこと。

作品には「〇〇の柵」と付けることが多く、青森県立美術館でその作品や愛用品が多く展示される、「わだばゴッホになる」という言葉でも有名な画家は誰?(答え:棟方志功)

例題では「わだばゴッホになる」がサビにあたる。確定ポイントと近い概念だが、確定ポイントが「そこまで聞けば論理的に答えが一つに定まる地点」を指すのに対し、サビは難易度や知名度の概念を内包する。特に有名な情報であるというニュアンスも含み、押しやすさに直結する部分を指す。
通常は問題文の終盤に置かれるが、序盤に登場することもあり「いきなりサビが来た」などと表現する。

パラレル

「エレクトリックギターの演奏に使われる装置のうち、音響効果を付与する装置はエフェクター、では音量を増幅する装置は何という?」(答え:アンプ)のように前振りの文と本題の文が同じ構成になる形式のこと。よく使われる接続詞から「ですが問題」とも呼ばれる。

作問のホスピタリティとしてはパラレルであることが明示されるように問題文を組む必要がある。例えば上記の問題文が「エレクトリックギターの音響効果を付与する装置のことをエフェクターと言いますが、音量を増幅する装置は何という?」のように組まれていた場合は回答者が「音響効果を付与」あたりで押してエフェクターと誤答してしまいやすい。先に「演奏に使われる装置のうち」のように複数の装置が登場することを明示することが好ましい。

ベタもん

クイズで頻繁に聞かれがちな問題、定番となっている問題のこと。代表例には「病気になっても自覚症状が出にくいことから俗に沈黙の臓器とも呼ばれる臓器は何?(肝臓)」などがある。
一般に問題の完成度が高いために繰り返し問われ定着したものだが、競技クイズの界隈だけで異常に知られている知識であるという側面もある。しばしば競技クイズにおいて異常な地点でボタンが押され正解となることがあるが、それらは大抵の場合このベタ問が出されたケースである。
(例えば「どっどど……」「わだば……」など先頭の数文字だけで正解できる)

読ませ押し

問読みの途中でボタンが押されても口が滑って次の単語を発声してしまうことを利用して、「次に重大な部分が出るだろう」と期待して投機的にボタンを押すこと。例えば列挙型の問題で「世界三大料理と言えば、中華料理、」の時点でボタンを押すと出題者から「フ」「ト」など続く音を聞ける可能性が高く、二つの選択肢(フランス料理、トルコ料理)からどれを最終的に聞くのかが確定する。

金竜読きんりゅうよ

パラレル問題の問読みにおいて、前振りと本題で入れ替わる部分を強調する読み方のこと。例えば「日本で一番高い"山"は富士山、では日本で一番高い"ビル"は何?」のように読む。

ずばり

問題文の冒頭に置かれる「ずばり」という語。「ずばり、アメリカの首都はどこ?」のように、前フリなしで本題だけを問う短い問題であることを予告する。
回答者にとっては「この先に限定が増えることはない」という合図であり、文が短いぶん確定ポイントまでの押し合いが純粋な速度勝負になりやすい。

スラッシュ

問題文中でボタンが押された位置を「/」で示す記法。「日本で二番目に/高い山は何?」のように書く。押した位置の記録や共有に使われ、確定ポイントに対してどこで押したかを振り返る際に便利。本用語集の「確定ポイント」の項でも使用している。

グロもん

正解者がほとんど想定できないような、極端に難しい問題を指す俗語。単なる難問というよりは「出題する場に対して難しすぎる」という含みがあり、やや批判的に使われることが多い。
難問自体が悪いわけではなく、難問を楽しむ企画も存在する。問題の難易度が参加者や企画の趣旨に合っているかが重要ということである。

責任問せきにんもん

その人の得意ジャンルや専門分野のど真ん中で、「この人が正解すべき」とされる問題を指す俗語。「〜さんの責任問」のように使う。正解すれば面目躍如、落とすと「責任問を落とした」と(冗談で)いじられる。

関連語に「責任押し」があり、自分の専門分野だと分かった責任感からとりあえずボタンを押してしまうことを指す。押しただけで答えが出ないことも多い。

ある特定の人にとって極端に有利な問題を、その人が答えるよう意図して出題すること。たまたまその人向けとしか思えないような問題が出た際に「差し込みだ」と冗談で言い合うこともある。

責任問と近い概念だが、責任問が回答者側から見た「この人が取るべき問題」というニュアンスなのに対し、差し込みは出題側の作為性に着目している点で異なる。

裏取うらど

問題の内容が事実として正しいかを、信頼できる情報源で確認する作業のこと。作問の最終工程であり、複数の情報源に当たる、公式サイトや原典などの一次情報を優先するといった作法がある。
裏取りが不十分な問題は誤答判定に対する疑義や別解の原因になる。また作問時点では正しくても時間の経過で事実が変わることもある(記録の更新、施設の閉鎖など)ため、過去の問題を再出題する際にも改めて確認することが望ましい。

デリバティブ

既にある問題から派生させて新しい問題を作ること。既存の問題文に要素を単純に足して長文化させたり、より深い知識を要求する形に変えたり、元の問題では前フリだった情報を本題として問い直したりといった手法がある。

ジャンル・企画

青問あおもん

アニメやゲームなどのジャンルに分類される問題のこと。KONAMIのアーケードゲーム機『クイズマジックアカデミー』でこのジャンルが青色で表現されていたことに由来する。
同様に他のジャンルも色で呼ばれることがあり、赤問(スポーツ)、緑問(芸能)、黄問(ライフスタイル・旧雑学)、白問(ノンジャンル)などがある。ただし浸透度には差があり、大会名やサークル名にも広く使われる青問に比べて、他の色は通じない相手も多い。

生活問せいかつもん

テレビ番組を中心とした芸能ジャンルやファッションなど、クイズ好きよりもむしろ一般人の方がよく知っているような知識を問う問題のこと。競技クイズに打ち込むほど世間の話題から遠ざかりがちであることを踏まえた、やや自虐まじりの呼び方でもある。こうした問題が得意な人を指して「生活をしている」などと評する。

グラムクイズ

特定の条件で問題が構成されたクイズ企画のこと。原義的には「正解に必ず"グラム"を含む」(アナグラム、パングラム、インスタグラムなど)のように正解の中に何らかの文字が入る企画のこと。名前は最初に行われたのがこの「グラム」を題材としたクイズだったことに由来する。「パンはパンでもクイズ」と呼ばれることもある。
現在は極端に狭いジャンル(例えば「星にまつわるクイズ」など)だけで出題する企画も広義としてグラムクイズと呼ぶこともあるが、Q:Gramではそれらはジャンル問として区別している。

フリバ

「フリーバッティング」の略。形式や勝敗を定めず、ただ問題を読み合い早押しをする練習・遊びのこと。野球の打撃練習が語源。
大会の待ち時間や例会の空き時間などに自然発生することも多い。勝敗がないぶん、普段は押せない位置で押してみるなど挑戦的なプレイの練習にも向いている。

うそフリクイズ

前フリの内容が事実と異なるパラレル問題を出題する企画。例えば「本格的な麦焼酎を製造していることでも知られる文学者で、代表作に『コレラの時代の愛』『族長の秋』などがあるのは誰?」(答え:ガルシア・マルケス)のように、前フリだけが嘘になっている。
前フリは単なる嘘ではなく何らかの冗談になっていることが前提なので前フリだけでも正解はできる。例えば例題はマルケスの最も有名な代表作である『百年の孤独』と同名の麦焼酎が存在することがヒントになっている。

ダイアルアップクイズ

画像クイズの中でも特に、画像が上から少しずつ明らかになっていく形式の早押しクイズ。名前はかつてインターネット接続に電話回線(ダイアルアップ)が使われていた時代、画像データが少しずつ受信されてこのように表示されていたことに由来する。
全体が見える前のどの時点で判断して押すかという早押しクイズの構造を画像で再現した形式と言える。専用のWebアプリも存在する(ダイアルアップクイズ)。

地下ちかクイズ

事件・アングラ文化・タブーとされる話題など、テレビや公の場では扱いにくい題材を出題するジャンルおよび企画のこと。BSスカパー!の番組『BAZOOKA!!!』内の企画「地下クイズ王決定戦」で広く知られるようになった。
出題の場と参加者を強く選ぶジャンルであり、開催時には題材について事前の注意書きが行われることが多い。